私の看護観

2017年6月6日

 小児看護にやりがいを感じる最も大きな理由は、人の人格形成の重要な時期の一部にかかわることができるということである。子どもを取り巻く環境は年々複雑化しており、子育ての孤立化や児童虐待の問題が顕在化している。子どもが健やかに育つためには、必要な時に保護者が支援を受けられることが重要であり、看護師として保護者を支援することは、子どもの健やかな成長発達を支えることに繋がると考える。

 子どもは成長発達の過程で周囲の大人から様々な影響を受けて大人になっていく。子どもが病気になった時は、子どもと家族は身体的、精神的に大きなダメージを受け、危機的な状況となる。この時、私は子どもを1人の人間として尊重し、十分に訴えることのできない苦痛や不安を理解しようと努め、適切なケアを提供したい。この丁寧なかかわりが、単に病気からの治癒を助けることだけでなく、子どもにとって他者に対する信頼感や自分は大切な存在であるという自己肯定感を育むことになると考える。これまで出会った患児とのかかわりの中で、子どもは我々看護師をよく見ていると感じる。大切に扱っているか、看護に心がこもっているかを見抜いているように感じる。例え言葉を発しない乳児であっても、丁寧にかかわることで安心した表情へと変化していくように思う。のちに記憶に残っていなかったとしても、心身共に苦痛な状況で、看護師から大切にされた経験はきっとその子どもの人格形成に良い影響を与えることができると考えている。

 家族にとっても、子どもが病気になった時は不安である。その気持ちに寄り添い、支援することは、「困った時に助けてくれる存在がいる」と感じ、子育ての孤独感を和らげることができると考える。入院する子どもの家族は、多くの場合入院当初は不安でいっぱいな表情である。その不安を表出してもらい、疾患や治療のことだけでなく子育てに関わる悩みや疑問を看護師に話していくうちに、子育てに自信を持ち、穏やかな表情へと変化していくことがある。家族にとって、子どもの病気や入院はマイナスな経験ではなく、良い経験であったと感じてもらえるようなかかわりを心掛けていきたいと思っている。

 子どもの人格を尊重し、権利を擁護することは看護師の責務である。しかし、臨床の場面ではその責務を十分に果たせていないと感じることも多い。自分はもちろん、チームとして「子どもにとって何が最も良い看護なのか」「自分がこの患児だったらどう感じるのか」という振り返りを忘れずにいたい。限られた時間の中で業務をこなし、効率よくそして安全な医療を行いながらも、子どもと家族への声のかけ方、かかわりの一つ一つが、子どもの成長発達に良い影響をもたらすことができるような看護を行うことを大切にしていきたい。 

                                          看護師Nさん                                                                

Posted by 昭島市の小児科なら太陽こども病院|東京都昭島市 at 09:44 / スタッフブログ

▲ページTOPへ